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カードローンの遅延は平気?履歴は残るの?

遅延

当たり前ですが、カードローンは極力遅延せずに返済すべきです。いわゆるブラックリストに入るのは「61日~3ヶ月」という長期の遅延・延滞が基本ですが、数日程度の軽度な遅延でも、個人信用情報に記録されることはあります。(ブラックリストではありませんが、記録だけは残るということです)

ブラックリストに入るのは、2ヶ月以上から

ブラックリストというのは、公式には存在しないのですが、個人信用情報の中に「異動情報」という項目が記載されると、それが実質ブラックリストとなります。

こうなると、その異動情報・事故情報が記載されている5年~10年は、新規の借入審査すべてに通らなくなります。キャッシングだけでなく、クレジットカードや分割払いなども同じです(例外的に審査に通る場合もありますが)。

・61日~3ヶ月の遅延が、ブラックリストになる

冒頭に書いた通り、この「ブラックリスト」になるような重度の遅延は「61日~3ヶ月」と日数が決まっています。絶対にこの日数というわけではありませんが、CIC(シーアイシー)ではこの基準を採用していますし、奨学金の日本学生支援機構なども、その基準にならっています。

このことから、遅延しても2ヶ月以上でなければ記録されないという勘違いが起きているのですが、実際には「ブラックリストに入らない」というだけです。記録自体は、数日の遅延でも残る場合があります。

軽度遅延でも個人信用情報に記録される場合

個人信用情報には、たとえばCIC(シーアイシー)だと「Aマーク」というものがあります。これは「お客様の都合により入金なし」というものです。要は、「返済に遅れた」ということです。

問題なく返済できていた場合は「ドルマーク」がつきます。「$」という記号ですね。これがズラッと並んでいるのが、正しい個人信用情報です。(良好なクレジットヒストリーということです)

そして、この「A」マークは「ブラックリスト」ではないのですが、「どのくらいの日数で報告するかは、それぞれの金融機関によってルールが違う」という風になっています。つまり、そのカード会社が厳しい会社で、しかも利用者の態度が悪かった時などは「数日の遅延でもAマークにする」という可能性はあるのです。

(かなり極端な例なので、実際にはそこまで早く記録されることはめったにありませんが…)

1ヶ月の遅延で強制利用停止になることもあるが…

これは私の体験談ですが、あるクレジットカードで1ヶ月返済に遅れて、強制利用停止になったことがあります。当時は「強制解約」だと思っていたのですが、三年後(最近ですが)に個人信用情報を確認したら「異動情報」は記録されていませんでした。ただの「A」マークでした。

つまり、1ヶ月の遅延・延滞で強制利用停止になることはあるが、それは「強制退会・強制解約とは違う」というわけです。もちろん、これもクレジットカード会社によってルールが違うでしょうし、消費者金融でも銀行カードローンでもそれぞれのルールがあるでしょうが、何はともあれ「強制利用停止と、強制解約は違う」ということは間違いなく言えるでしょう。

個人信用情報に記録されなくても、マイナス

ここまでは「個人信用情報への記録」について書いてきました。しかし、キャッシングの返済の延滞・滞納が記録されるのは、個人信用情報だけではありません。それぞれの業者・ブランド・銀行の内部で記録される「内部ブラック」というものもあります。

内部ブラックとは?

個人信用情報は、すべての金融機関で共有される情報です。アクセスできるのは加盟業者や銀行だけですが、加盟さえしていれば、「山田花子の個人信用情報」などに、許可をとってアクセスすることができるのです(アクセスした記録は、山田花子さんも確認できるようになっています)。

このように、公開された個人信用情報に記載されるのが、普通のブラックリストです。これに対して、内部ブラックは社内情報であり、外部の人は見ることができないという違いがあります。こうした「社内ブラック」というのは、どんな業種でも多かれ少なかれ持っているものでしょう。

たとえば私はパチンコ屋で働いていたことがありますが、「ブラックリスト」に入っているお客さんは何人もいました。店員に暴力的な態度をとったとか、そういうものですね。こうした社内ブラックは、どんな会社でも普通は存在するもので、キャッシングでもそれがあるというだけの話です。

グループブラック・社内ブラックの違い

内部ブラックを細かく書くと、グループブラック・社内ブラックなどの別名も出てきます。これの違いは下の通りです。

  • グループブラック…関連会社すべてで情報を共有
  • 社内ブラック…その会社のみで共有(関連会社には共有しない)

たとえば、「SMBCモビット」は三井住友カードのローンブランドです。そのため、三井住友銀行とも関連があります。SMBCモビットや三井住友銀行カードローンが利用者の情報を共有しているかはわかりませんが、仮にしていたとしたら、この中のどれかで長期の延滞・滞納をすると、グループブラックになる可能性があるということです。(繰り返しますが、三井住友フィナンシャルグループの中にグループブラックのような情報共有のシステムがあるかは、社外秘なので誰にもわかりません。あるとしたら、という話です)

一方、これが「社内ブラック」だったとしたら、三井住友銀行カードローンでの遅延・延滞の記録は、三井住友銀行の内部だけでとどまるということです。

(これも「ブランド別」に情報が管理されていたら、共有されないこともあるでしょうが)

何はともあれ、個人信用情報には記録されなかったとしても、このように「業者・ブランド・銀行・ブランドの内部で記録される」ということはあります。そのため、当たり前ですが、カードローンやキャッシングの返済は、極力延滞・滞納しないようにすべきなのです。

延滞しそうな時は、事前連絡をする

遅延・延滞をしてはいけないことはわかっている。しかし、実際に支払いができない―、というケースは誰にでもよくあります。そのような場合は、黙って延滞・滞納をするのではなく、業者・ブランド・銀行に事前連絡をすることが重要です。これだけでもだいぶ印象は違います。

事前連絡をすれば、記録されないことが多い

同じ内容の延滞・滞納でも、事前連絡をしていれば内部でも記録されない…ということはよくあります。あるいは、記録されるにしても「事前連絡あり」ということで、連絡なしの時よりは良い扱いになります。

この違いは大きく、たとえば半年に一度の途上与信の時、それまでの遅延・延滞が事前連絡ありの場合となしの場合では、増額されるかどうかが変わります。事前連絡をしていた人は、延滞・滞納をしても増枠される、ということもあり得るわけです。

(逆に事前連絡をしていなかった人は、最悪の場合、減枠もあり得ます)

利息だけの返済でOKになる

また、事前連絡をするメリットとしてその月の返済は、元本は払わずに利息だけの支払いでOKになるということもあります。つまり、利息と元本の合計で1万円を払う予定だったのが、「利息だけで2000円を払えばOK」となることもあるわけです。

(金額については大雑把に書いたものですが、要するに、このように返済の負担が小さくなります)

もちろん、元本が減っていないわけですから、通常通り返済した場合に比べて、翌月以降の利息が多くなるというデメリット・短所はあります。しかし、それでも遅延・延滞の日数をゼロにできるので、この方法で返済するメリットはかなり大きいのです。

(事前連絡をしない限りは、利息だけの支払いでOKとなることは、基本的にありません。必ず事前連絡をするようにして下さい。)

事前連絡をすれば、督促電話もない

精神的なメリットとして、事前連絡をしておいたら延滞・滞納をしても督促電話がかかって来ない…ということもあります。取り立ての電話を受けたことがある方ならわかるでしょうが、あれはどれだけソフトに言われても、やはり精神的に来ます。

今のキャッシングは、消費者金融でも銀行カードローンでもオペレーターさんの態度が洗練されているので、悪い言葉遣いなどは一切ありません。しかしそれでも「自分は経済力がない人間なんだ」と実感してしまい、凹むわけです。

なので、督促電話を受けないという精神的なメリットのためにも、やはり延滞・滞納してしまう場合は、事前連絡をすることを強くおすすめします。

(そもそも、人間的にもそれが筋なはずです)

カードローンの返済遅延・まとめ

以上、カードローンの返済の延滞・滞納についてまとめてきました。最後に「これはやってはいけない」ということも、いくつか補足していきます。

返済のために、他でキャッシングをする

これは借入超過者・多重債務者のあるあるとも言うべきものですが、「返済のためにどこかでキャッシングをして、さらに借入総額・借入件数が増えていく」という、典型的なパターンがあります。これは絶対にしてはいけません。

利息のシミュレーションをしてみるとわかりますが、たとえば50万円を超える金額を消費者金融で借りると、毎月1万円払っても、1年間で3万円しか元本が減らないという衝撃的な事態になるのです。利息だけで7500円かかるので、2500円を12ヶ月払っても、元本が3万円減って「47万円」になるだけなのですね。

このように「他社から借りずに返済しても、50万円レベルだとなかなか減らない」のです。ましてそれが「支払ったお金すら、他社からのキャッシング」だったとしたら、もう減るわけがないというのは、誰でもわかるでしょう。

(こういうのは計算してみないとわからないものですが、計算するとあまりの数字に愕然とするはずです)

こうした理由からも、「返済のための借り入れ」というのはしてはいけないんですね。精神的な問題ではなく、数学的に危険なのです。

そもそも、利用用途として禁じられている

そもそも、どの大手の消費者金融・銀行カードローンでも、「他社借入の返済のために借りる」という利用用途は禁止されています。審査のときに「他社借入の返済のための借り入れではありませんね?」ということを確認される場合もあります。

こうした利用用途を、専門用語で「返済原資」と言いますが、何はともあれ「そういう資金使途ではない」と言って借りて、それを返済に回すというのは、一種の「虚偽申告」ということになります。

そのため、カードローンのルール的にも、「返済のために借りる」というのはダメなのですね。いざ債務整理などをする事態になったら、これは非常に不利になります。こうした法的な観点から見ても「借金の返済のための借金」はしてはいけないのです。

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